初心者でもわかる!YouTube漫画動画で基本的な展開の考え方|起承転結を使ったストーリー

シナリオ
咲月
咲月

 

こんにちは!ライターの咲月(@satuki_bokusora)です☆

ライティング案件の1つ、「シナリオ作成」。

シナリオというとゲームシナリオが有名ですが、もっと手軽に受けられる案件としてYouTubeなどのシナリオ作成があります。最近ではゆっくり解説が流行っていますが、漫画動画やLINE動画なども根強い人気です。

シナリオライティングは初心者OKのものも多く、専門分野の知識がいらないのでライター初心者の人におすすめです。CrowdWorksランサーズでも初心者歓迎の案件がたくさんあります。

ですが、他のライティングと違って、YouTubeのシナリオは基本的に視聴者の目にふれないため、完成形がイメージできなくて苦戦している人も多いです。Twitterでも「シナリオライティングはよくわからない」という声をききます。

そこで、1年以上YouTubeのシナリオライターをしてきて学んだことを紹介したいと思います!

この記事は、こんな人におすすめです。

  • シナリオライティングに興味がある
  • 起承転結の違いがわからない
  • 基本の構成を知りたい

プロット(いわゆるWebライティングで言う構成)の書き方は別の記事で紹介しています。

【YouTubeシナリオ】ストーリー展開の基本は起承転結

ストーリー展開はいくつか基本の型があります。日本で1番メジャーなのは起承転結ですね。

起:物語のはじまり。ストーリーの発端となる出来事が起きる。
承:物語が進み、イベントやトラブルが起きる。
転:状況が一転する出来事が起きる。
結:結末。後日談などが入ることもある。

これはシナリオ制作に携わっていない人でも聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

ストーリーの型には他にも「ハリウッド式の三幕構成」とか「序破急」とかいろいろありますが、とりあえず起承転結が出来ていれば何とかなります

いくつか例を挙げてみましょう。

【ミステリー】
起:事件が起こる場所に関わりができる
承:イベント会場で次々と事件が起こる
転:犯人に繋がる証拠に気が付き、推理を披露
結:事件解決

名探偵コナンで説明すると…?
起:園子にイベントに招待される
承:イベント会場で殺人事件が起こる
転:コナンが証拠を見つけ、推理ショーを始める
結:罪を認めた犯人が捕まる

【バトル系】
起:悪役が悪事を働く場所が出てくる
承:悪役が悪さをする。戦うけれどピンチに追い込まれる
転:ピンチを脱する助けが来る
結:悪役を倒して問題解決

アンパンマンで説明すると…?
起:平和な日常風景
承:バイキンマンが悪いことをし始め、アンパンマンが戦うけれど顔が濡れてしまう
転:「アンパンマン!新しい顔よ!」
結:バイバイキーン☆平和が戻る

【ラブストーリー】
起:気になる人と出会う
承:障害となる出来事があって悩む(恋人の噂があるとか嫌われていると誤解するとか)
転:告白
結:両思いになる

白雪姫で説明すると…?
起:継母が現れる
承:継母があの手この手で白雪姫を消そうとする
転:毒リンゴで死んでしまった白雪姫に王子がキスをする
結:白雪姫が目覚めて幸せになる

【スカッと系】
起:DQNと出会う
承:DQNにイライラさせられる
転:反撃
結:DQNが痛い目を見て平和が戻る

LINE動画で説明すると…?
起:夫と子どもと平和な日常を送っている
承:近所のママ友が夫の年収でマウントをとってくる
転:主人公が、実はママ友の夫の上司だと打ち明ける
結:ママ友が離婚されていなくなり、平和が戻る

こうしてまとめてみると、様々なジャンルで起承転結にあてはめてストーリーが作れることがわかりますね。

実際のストーリーをイメージしてもらうとわかりやすいですが、起承転結の割合は同じではありません。人によって多少異なりますが、私はこんな割合で書くことが多いです。

それでは、起承転結それぞれのパートではどんなことを書くのか、詳しく説明していきましょう。

「起」:物語の始まり・きっかけ

「起」では物語が始まるきっかけとなる出来事を書きます。

その他、主人公のスペックや状況、物語のベースとなる設定なども最初に紹介すると視聴者が話を理解しやすくなります。(これはハリウッド式の三幕構成の第1幕に近いですね)

何を書けばよいか悩んだら、この後の「承」に進んだ時に何が起きているのかわかりやすいように5W1Hを意識して情報を書くと親切です。

5W1Hは状況を相手に過不足なく伝えるために必要な文章の構成です。

Who だれが
When いつ
Where どこで
What なにを
Why なぜ
How どのように

この6つの頭文字をとって5W1Hと言います。

「承」:トラブルが起こる

ストーリーの大部分を占めるのが「承」です。トラブルが起こったり、主人公が何かに悩んだりして視聴者がハラハラドキドキするところがここですね。

主人公の感情の揺れ幅が大きいパートなので、一度解決すると見せかけて窮地に追い込ませたり、新しいトラブルを発生させたりして、主人公を動揺させるとストーリーとして盛り上がります。

伏線を張ったりミスリードをしたり、シナリオに深みを出したりしやすいのもこの部分なので、腕の見せ所とも言えますね。

感情の揺れとシナリオについては、こちらの「ストーリーのつくりかたとひろげかた」という本に出てくる感情曲線の話がわかりやすいです。「君の名は。」などのヒット作を例に解説してくれています。

特に、視聴者は起こった出来事のすごさよりも登場人物の感情の変化に反応するので、喜怒哀楽の変化を付けると共感や興味をひきやすくなります。

具体的に言えば、
「主人公が受験に失敗して絶望しているときに両親が事故にあって不幸のどん底になる」
というストーリーよりも
「主人公が楽しい学校生活を送っている笑顔のシーンから友だちに悪口を言われてショックを受ける」
というストーリーの方が視聴者の心を動かしやすいです。

このように感情の起伏でストーリーの形をとらえる見方もあり、ストーリーラインと呼ばれています。

ストーリーラインについては別の記事で詳しく話しています。
YouTube漫画動画の構成・プロットの作り方【シナリオライター初心者向け】

「転」:状況が一転する出来事が起こる

主人公が困っている状態から問題が解決するきっかけとなる出来事が「転」です。

アンパンマンでいう「アンパンマン!新しい顔よ!」ですね。

状況を一転させるシーンなので、ストーリー全体に対して短時間で終わることもありますが、時間が短い一方で登場人物たちの見せ場になるシーンであり、物語の1番盛り上がる部分になります。

いわゆるクライマックスにあたる部分ですね。

「結」:結末・後日談

「転」をきっかけにしてトラブルがどう解決したのかが判明するのが「結」です。

悪役がいる場合には、スカッとさせたいならば因果応報的な展開を、いい話にしたいならば改心する展開にすると視聴者の満足度が高いす。

エピローグとして後日談を付けたり、裏話を付けたりすることもあります。

ストーリーに起伏を付けるときは「承」と「転」をくり返す

「承」のところでも話しましたが、「承」の中で状況の悪化と改善をくり返すとハラハラドキドキするので視聴者は盛り上がります。

特に、主人公の感情が変化するような展開に持っていくと理想的ですね。

悲しいパートや緊迫感のあるパートなどネガティブな感情が続くと視聴者がつかれてしまうので、解決まではいかなくても、所々に救いがあったりクスッと笑えるような小ネタが入ると緊張感が最後まで続きやすいです。

感情の変化については、こちらの本が「君の名は。」などを例に詳しく説明されています。

オススメの勉強方法は人気動画の分析

ストーリー展開はいろいろ考え方がありますし、チャンネルによっても方針が異なるので、大事なのはそのチャンネルのストーリー展開に慣れることです。

マニュアルがあればそれを参考にするのは大前提ですが、その他にもそのチャンネルの人気動画のストーリー展開を箇条書きで分析してみるのも勉強になります。

最初に見せ場を持ってきて視聴者の興味を引くチャンネルもありますし、物語の型が決まっているチャンネルもあります。

指示がなければ、基本の起承転結で考えておくと無難ですね。

シナリオライティングは創作の楽しみが詰まっている

シナリオライティングは慣れるまでは大変かもしれませんが、できるようになると自分が書いた物語がイラストレーターさんと声優さん、動画編集スタッフさんの手によって動画となって公開されるのでとても達成感があります。

また、YouTubeだと視聴者の感想をコメントで知ることができるので、凹むようなコメントがあることもありますが、自分が作ったストーリーが誰かを笑わせたり感動させたりしているのを目に出来るたびにシナリオライティングやってよかったって嬉しくなります。

ライターは動画の制作者欄に名前が出ることは少ないですが、自分が作ったストーリーが動いて、喋って、誰かを楽しませている喜びを味わえる仕事です。

ぜひ、興味がある人はチャレンジしてみてください!

考えた展開をどうまとめれば良いのかは、別の記事で紹介しているので、興味がある人はそちらも読んでみてください!

咲月
咲月

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!Twitter(@satuki_bokusora)で更新情報を発信していますので、よければフォローお願いします。お仕事のご依頼・ご相談もお待ちしております。

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